代表取締役の就任登記で「個人の印鑑証明書」が必要な理由とは?(取締役会設置会社の場合)
会社法
2026.01.29
会社で新しく代表取締役が就任するとき、登記手続で
「代表取締役本人の印鑑証明書を提出してください」
と言われて、
「え?会社の実印じゃダメなの?」
「取締役会で決めているのに、なぜ個人の証明が要るの?」
と疑問に思う方は少なくありません。
この記事では、なぜ代表取締役の就任登記に個人の印鑑証明書が必要なのかを、法律に詳しくない方にも分かるように説明します。
結論:なりすましを防ぐため
結論から言うと、理由はとてもシンプルです。
代表取締役になった本人が、本当にその就任を承諾しているかを確認するためです。
代表取締役は、会社を代表して契約を結んだり、訴訟を起こしたり、極めて強い権限を持つ立場です。
もし第三者が勝手に「代表取締役になったこと」にされてしまえば、大きなトラブルになります。
そのため、法務局は
「この人が自分の意思で代表取締役になることを承諾した」
ということを、厳格に確認する必要があるのです。
法律上の根拠は?
このルールは、商業登記規則という法令に定められています。
代表取締役の就任登記では、
就任承諾書
その承諾書に押された印鑑が本人のものであると分かる書類
を添付しなければならない、とされています。
そしてこの
「本人の印鑑であることを証明する書類」
として求められているのが、個人の印鑑証明書です。
なぜ「取締役」では不要なのか?
よくある疑問が、
「普通の取締役の就任では印鑑証明はいらないのに、なぜ代表取締役だけ?」
という点です。
これは、権限の重さの違いによるものです。
取締役は会社の経営に関わりますが、原則として会社を単独で代表する権限はありません。
一方、代表取締役は「会社の顔」として外部と直接関わります。
そのため、代表取締役については
本人確認をより厳格に行う必要がある
という扱いになっているのです。
会社の印鑑証明書では代わりにならない?
結論として、代わりにはなりません。
会社の実印や会社の印鑑証明書は、
「会社としてその決定をした」
ことは証明できますが、
「本人が代表取締役になることを承諾した」
ことまでは証明できないからです。
この点は、登記実務でもよくある勘違いポイントです。
まとめ
代表取締役の就任登記で個人の印鑑証明書が必要なのは、
代表取締役の権限が非常に強いこと
なりすましや無断就任を防ぐ必要があること
商業登記規則で本人確認が求められていること
この3点が理由です。
「面倒な書類だな」と感じるかもしれませんが、
会社と本人の両方を守るための仕組みだと考えると、少し納得できるのではないでしょうか。
(取締役会非設置会社=取締役会設置会社のない会社の場合)取締役の就任登記で「個人の印鑑証明書」が必要な理由は
上記内容と同様になります。取締役会非設置会社の取締役は、取締役会設置会社
の代表取締役のように権限が強いからです。
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